シルクロードの終着点 宗像への旅 宗像Vo.2

みあれ祭。御座船を守るように漁船団がゆく。
大島の港はこの日一年で最大の賑わいをみせる。

素晴らしい宗像の海

 宗像は玄界灘に面した街だ。いまでは福岡市内に通勤する人のベッドタウンでもあるのだが、やはり海の民の地としての文化は色濃く残っている。鐘崎漁港やフェリーで20分の大島の港は多くの漁船の母港だ。

 海の民の勇ましさと神様への崇敬を感じさせるのが、毎年一度、10月1日に行われるのが海上神幸「みあれ祭」。3日間にわたる宗像大社秋季大祭の幕開けで、国家安泰と豊漁を感謝・祈願する。

 大島の港に「国家鎮護 宗像大社」と幟をかかげた、ご神璽を運ぶ御座船が2隻停泊している。その2隻が港を出航すると、お供の漁船団がその周りを囲み、旋回する。大漁旗がかかげられた漁船群が海をゆくさまは、勇壮で、海の民の誇りを感じさせる。

 一方で、宗像は遠浅の砂浜にも恵まれている。きめ細かいゴールデンサンドのビーチが1キロにわたって続く神湊海岸は、夕日の名所でもある。水は大都会の近くと思えないほど透明で、穏やかな波が砂浜にレースのような模様を描き、やさしく寄せる。夏は海水浴の人々でにぎわうが、それ以外の季節は奇跡のように静か。春、人気の少ない静かな砂浜を歩き、広い空を眺めれば心が洗われる。
 ときに波に打ち上げられたタコや魚も目にする。そしてさまざま種類の貝殻を拾うビーチコーミングも楽しい。

馬の駆け抜ける姿が古を思わせる神湊海岸。

海岸にはつり人の姿も。

宗像の海岸は夕日が美しいことでも有名だ。

「宗像大社」
JR鹿児島本線東郷駅から車で15分。

~シルクロードの終着点 宗像への旅~