~食を楽しむ小さな街めぐり ベルギーVo.3~
30以上のビアカフェが軒を連ねるアウデマルクト。
15世紀に建てられた市庁舎の彫刻は、“石のレース”とよばれるほど精巧。
ルーヴェン 学生の街で“ビールウォーク”
ブリュッセルの東に位置するルーヴェンは、14世紀に毛織物産業で栄えた街。そして、今ではルーヴェン・カトリック大学の学生と、ビールの街として活気づいています。大学ホール前の広場アウデ・マルクトでは、夏になるとレストランやカフェのテラス席がずらりと並び、若者たちが明るいうちからビールを美味しそうに飲んでいます。この光景は、“世界一長いバー”と呼ばれるほど。ルーヴェンでぜひおすすめしたいのが、個性的なビアカフェめぐりです。店主がこだわりをもって選んだビールを揃えているので、ビール好きにはたまりません。ビールが大好きな地元出身のガイドさんが教えてくれたとっておきの3軒をご紹介しましょう。
とにかくベルギーのビールを楽しみたい、という方には『De Metafoor』。オランダの修道院でつくられているビール1種だけ仲間に入れていますが、それ以外はすべてベルギー産にこだわっています。
次に訪れたのはオーセンティックな雰囲気の『The Capital』。お店のスタッフによると現在は、約2000種類のビールをおいているそうです。目標は2600種類を集めて、世界一のビアカフェになること。「Luvanium」というビールを試飲させてもらうと、レモンとコリアンダーのアロマがかすかに鼻に抜けていきます。テイスティングは、ワイングラスで。ワインと同じように、香りと大切にビールを楽しみます。
そして、最後にモダンな『M-Cafe』へ。オーナーのひとり、スティーブンさんはとてもエネルギッシュな人。自分でもビールをつくってしまうほど、ビールが大好き。「今までに飲んだビールの種類の数は、3000か4000くらいかな」と語るその目は、ビールへの愛情をひしひしと感じさせる輝きを放っていました。
フランダース地方の古都、ルーヴェンの“ビールウォーク”は、まだまだ奥深そうです。
photographs by Yuri Manabe
『De Metafoor』はベルギービールにこだわった品揃え。
『『The Capital』でテスティングした「Luvanium」。
ビール愛あふれる『M-Cafe』のオーナー、スティーブンさん。